2008年6月10日火曜日

心の拡張

伝道者であるジョージ・ホワイトフィールドとジョン・レスリーは、歴史上でも指折りの説教者でした。彼らは集会場、街頭、公園、刑務所などで何千人もの会衆に向かって説教し、彼らのミニストリーを通して、多くの人々がキリストに導かれました。しかし、どうやったら人は清められるかという教理において、二人の間に食い違いが生じました。どちらもそれぞれの言い分を主張し、ひどい言葉が交わされ、それぞれの支持者の間でも見苦しい口論が繰り広げられました。

ホワイトフィールドの支持者の一人が、ある日彼の元にやって来てこう尋ねました。「ジョン・レスリーを天国で見ますかね。」彼が聞こうとしていたのは、「もし彼が大きな間違いを説いているなら、どうしてレスリーが救われるだろうか。」ということでした。

ホワイトフィールドは、「いや、私たちがジョン・レスリーを天国で見かけることはないだろう。彼はキリストのいと高き王座の近く、主のすぐ側にいて、私たちが彼を見かけることは出来ないだろう。」と答えました。

パウロはこの様な魂を、「心の拡張」と呼びました。そして彼自身も、コリント人への手紙を書く中でそれを経験しました。コリントの教会には、パウロを厳しすぎると非難し、彼の教えをあざ笑う人達がいたからです。パウロは彼らに保証しました。「コリントの人たち、わたしたちはあなたがたに率直に語り、心を広く開きました。」(第二コリント6:11)

神様があなたの心を拡張される時、突然非常に多くの障害や限界が取り去られます。もはや限られた視野でものを見ることはありません。その代わり、聖霊があなたを痛みと苦しみにある人々に導かれるのに気付くでしょう。そして苦しみにある人々は、聖霊の不思議な引力によって、あなたの憐れみ深い魂に引き寄せられて来るでしょう。

では、あなたが苦しんでいる人々を目にする時、心に優しさや穏やかさはあるでしょうか。兄弟や姉妹が罪につまずいていたり、問題を抱えていたりするのを見た時、あなたは彼らの生き方で何が間違っているのか伝えたくなるでしょうか。パウロは、苦しんでいる人たちは柔和で穏やかな霊の内で回復されなければならないと言っています。彼らはイエス様が示された霊に出会わなければいけないのです。

これが私に残された人生での心の叫びです。「神様、どうか私の心からすべての偏見を取り去ってください。苦しんでいる人達に対してあなたの憐れみ深い霊を、罪にある人達に対してあなたのゆるしの霊を、与えて欲しいのです。彼らの咎めを取り去るために、あなたの回復の霊を与えて欲しいのです。」

「どうか私の心からすべての閉鎖的な思いを取り去り、敵をも愛することが出来る様に、私の心の度量を広げて下さい。私が罪を犯している人に近づく時、裁きを持って近づかないようにして下さい。そうではなく、私の心の内に、彼らに対する聖なる愛の川が湧き出でる様にして下さい。そして彼らに示された愛が、他の人々への愛として燃え続けるようにして下さい。