2008年7月29日火曜日

彼は神様を喜ばせた

エノクは主との親密な交わりを経験しました。事実、その関係はとても親密だったので、主はエノクが地上での人生を終える前に、彼を栄光の地へと移されました。「信仰によって、エノクは死を経験しないように、天に移されました。神が彼を移されたので、見えなくなったのです。移される前に、神に喜ばれていたことが証明されていたからです。」(ヘブル人への手紙11:5)

神様は何故、エノクを天へと移されたのでしょうか。先述の聖句の最初の部分に、それが彼の信仰によるものだということが、明確に示されています。さらに最後の部分では、彼の信仰が神様に喜ばれるものであったと記されています。ここで使われている“喜ばれる”という言葉は、ギリシャ語で「完全に結ばれている、完全に同意する、完全に一致した」という意味があります。要するに、エノクは人間が経験出来る限りで最も親密な主との親交を経験したのです。そしてその親密な関係を、神様は喜ばれました。

聖書は、エノクが彼の息子であるメトシェラをもうけた後、神様と共に歩み始めたと記しています。エノクはその時65歳でした。彼はその後300年に亘り、神様と親密な交わりをもちます。ヘブル人への手紙には、エノクがいかに天の父と頻繁に交流を持ち、神様が彼を御側に引き寄せられたかが記されています。主はエノクにこう言われました、「肉にあるあなたを、これ以上引き寄せることは出来ない。あなたとの交わりを深めるためには、わたしの御側に引き上げるしかない。」そして主はエノクを栄光へと運び去られたのです。

ヘブル人への手紙11章5節によると、神様を喜ばせたのはエノクの親交の深さだったということが分かります。私たちの知る限り、エノクは一度も奇跡を行わず、重要な神学を唱えることも、聖書に記録されるような素晴らしい行いをすることもありませんでした。その代わり私たちは、この信仰に満ちた人の非常に簡潔な記述を目にします。「エノクは神様と共に歩んだ。」

エノクは御父と親密な交わりをもっていました。そして彼の人生そのものが、正しく信仰によって歩むとはどういうものかという証しとなったのです。